会社の数字のなかでは、「会計」が経営活動の物差しとして最も広く使われている。現場で役立つ会計数字の使い方や「儲けの構造」と「現金収支の構造」を同時に考える重要性を伝えたいのと同時に、多くのビジネスマンに知って欲しいと願いその入門書を書いた。
のろのろ月次決算から最速決算に変えるだけで業務改善が進む。全社員に一人当たり決算書を公開すると行動が変わる。粗利率や販管費比率を改善するのにいろんな手を打つ。管理部門こそ優秀な人材を当てる。会計の持つ力で強い会社に変えられることを示したい。
個人宅配事業を切り拓き「宅急便」を全国に行き渡らせたヤマト運輸元社長の名著。需要をどう捉えるか、集配センターをどこにどう作るか、集配車両の収支はどうなるか、サービスレベルを数値として把握できないか?すべて数字をベースに考え、行動していった。
SF作家の星新一が書いた、父親である星一の伝記。明治末期に米国留学から帰った星一は製薬会社を興す。事業は発展するものの、腐敗した官僚組織に妨害される。その過程で、原価計算した製造単価と市場相場との差異をどう逆転していったのかが興味深い。
サイゼリヤ おいしいから売れるのではない 売れているのがおいしい料理だ 正垣泰彦(著)
国内外で1300店を超すレストランチェーンを築いたサイゼリア創業者による外食経営の指南書。料理の世界こそ生産性を高めることが重要で、店舗の人時生産性を高め経営を安定化してこそ美味しい料理を提供できると説く。データや数字の重要性を強調している。
山奥の地酒「獺祭」を、つぶれかけたところから世界中に展開するまでの桜井社長奮闘記。純米大吟醸造りだけに絞りこみ、年間を通じて酒を造る四季醸造方式を採り、杜氏に頼らず「経験と勘」を数値化して科学的な酒造りをしたことで成功した。数字の重要性が光る。
仕事には必ずついて回る「数」。見るのもイヤ、と言っている人にぜひ勧めたい、数の扱い方の極意満載だ!著者が若かりし頃に戦後経済界の重鎮と呼ばれた原安三郎氏から問われた質問、「この部屋まで階段を何段登ってきたか」にどう答えたかの逸話が面白い。